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第5章 戦乱に消える灯

第25話 〜野望〜

オシロイの案内でレプラスはオシロイカンパニーの精密検査を受ける。

正直ゲンブから事情を聞いた時はオシロイは開いた口が塞がらなかったらしい。

紫苑とレプラスの了解のうえ、今検査中である。

オシロイ「大丈夫大丈夫。なにも痛くなんかないから。」

全くその通りだった。といってもレプラス自身は機能が停止している状態で検査するため当然の結果だ。

結果の書類を見て紫苑もレプラスもオシロイもビックリした。

オシロイ「レアメダル・・・だね。」

レプラス「わかるの?こんな訳わかんない波長で。」

オシロイ「上に記録されてるこの波長が君の、下は販売されてるドラゴンメダルのなんだ。

     明らかに高くなってるところや低いところが違う。」

紫苑「そんなものなの?」

オシロイ「音波の強弱の最低値、最大値もずば抜けてるし、

     メダルのコアの物質も違うのが入ってる。」

メダルのコア、メダルについてる赤い丸い石のことである。

通常メダルは六角形の形をし、その六角形の中心に石がある。

だがレプラスのは少々上のほうについている。

オシロイ「これはレアメダルに間違いないよ。

     今会社に専門の研究者がいないけど帰ってくるなり本格的に研究が始まるね。

     レプラスのメダル、手続きしておく?」

紫苑「え?」

オシロイ「あ、やめた方がいいか。研究となると半年は別れなければならなくなる。」

レプラス「紫苑と別れるのはいやだ!!」

オシロイ「わかってる、わかってるっての。パパにはそう言っておくから。」

紫苑「(レアメダル・・)」

オシロイ「じゃこれで検査終わり。パーツやティンペットも異常なしだったよ。

     送ってく?」

紫苑「いや、いいよ。帰りにちょっと寄りたいところあるから。」

レプラス「この街、ちょっと見てみたいしね!」

オシロイ「わかった。んじゃまた明日!」

紫苑「また明日!色々ありがと!」



高層ビルが立ち並ぶ近代都市ティンタウン。

クルス町から西に少し行った所にある正八角形の大きな形を作る大都市である。

中央区、北区、東区、西区、南区に別れ中央区に国会やオシロイカンパニーなどが集まる。

それ以外の区には有名な企業は見当たらないが探せばけっこういい物が見つかったりもする。

とくにゲンブが南区で見つけたジャンク屋は知る人ぞ知る幻の名所。

レアパーツでも安く手にいれることも可能である。

紫苑とレプラスはそこに寄るつもりだったのだ。

あらかじめ地図はもらっていたので迷いはしなかった。

紫苑「あ、ここだね。・・・ジャンクショップ、クリーチャー?」

レプラス「???」

店自体はそんなに大きくない。壁は所々が剥げており中は闇に沈んでいる。

それでも店先には大きなダンボール箱の中にパーツの残骸が山積みにされ売られている。

中にある棚には腕パーツがきれいに置かれている。

床も掃除されてるらしくほこりは微塵も見かけない。

外側だけ見ればクリーチャー(化け物)だが中はそんな感じがしなかった。

紫苑「とりあえず入ってみよ?」

レプラス「うん・・。」



中に入るとまず感じたのは綺麗な空気。

都会の汚れた空気とは裏腹にこの店内だけ空気が浄化されている。

闇に沈んでいるのが気がかりだが天井に蛍光灯が見えるのでつけさえすれば大丈夫だろう。

しばらくすると奥から笑顔の兄さんが出てきた。

顔や服は所々汚れており綺麗とはいえないが顔は美形の部類に入る。

年齢は二十歳ぐらいか。

蛍光灯のスイッチを入れ店内を明るくする。

闇はしだいに消えたが明るいとはいえない明るさだ。

兄さん「いらっしゃい!!お、はじめてのお客さんだね。」

紫苑「は、はじめまして。」

レプラス「お客の顔みんな覚えてるの?」

兄さん「こんな店じゃお客はたかがしれてるのよ。

    毎日オレが店番やってるしな。つーか人間オレしかいねーんだけどね。

    オレはここのジャンク屋のオーナー、倉楢 根霧(くらなら ネム)。よろしく。」

紫苑「紫苑です・・よろしく・・。」

ネム「紫苑ちゃんね。女の子二人目だな。(ん・・・紫苑?)」

紫苑「二人目?」

ネム「予約ではそろそろ来る頃なんだよ。

   いつも東区のガラクタ置き場からレアメタル持ってきてくれんだ。」

レプラス「レア・・メダル?」

ネム「メダルじゃねぇ、メタルメタル。希少価値の高い部品よ。

   ほら、そこの棚にあるものさ。うまく組み立てれば正式なパーツよりも強力になるぜ?」

ネムは隣の棚を親指で指した。見るとコンビニで見かけたパーツなどが置いてある。

紫苑「これ、自分で組み立てたんですか!?」

ネム「そう!もう数え切れないほど組み立てて売った!生きがいだからね。お、来た来た!」

ネムはそういうと店を飛び出した。その先にはリュックを背負った女の子とそれを支えるメダロットがいる。

ネムはリュックをかわりに持つと店に戻ってきた。その場でリュックを床に置くと中を開けてみた。

中にはパーツの残骸がたくさん入っていた。

ネムはそれをまるで金塊を見つけたような悲鳴で見つめている。

女の子とメダロットが店の中に入ってきた。

ステルミア「おひさしぶりです。」

レプラス「ステルミア!・・セイリュウ!?」

紫苑「セイリュウちゃん!大丈夫なの?」

セイリュウ「ありがと。もう大丈夫。」

ネム「はり?知り合いかい?あぁ君がセイリュウちゃんの言ってた紫苑ちゃんか。なるほど〜。」

セイリュウ「ネムさん、今日はどうでしょうか?」

ネム「あぁわり〜な〜、いつもこんなレアメタル持ってきてもらって。奥に注文の品、あるよ?

   カローン!お客だぜ〜!?」

そういうと奥から童話の赤頭巾のようなメダロットが出てきた。

製品名レッドカペロ。赤い頭巾、白いエプロン、右に包丁、左にカゴを携える。

ネムのメダロット、カロンはそのカゴに様々な工具をいれ持ち歩いている。

カロン「あ、いらっしゃい、こっちこっち。」

ステルミア「マスターだけ行って下さい。私は久しぶりにレプラスと話したい・・。」

セイリュウ「わかった。じゃ部品もらってくるね。」

セイリュウはカロンに招かれて奥へ入っていった。

ネムは先程もらったレアメタルを磨くともう棚に置いて売り物にしている。

紫苑「セイリュウちゃんのそれは・・・一体どういうこと?」

ネムに問う。だが答えたのはステルミアだった。

ステルミア「物々交換ですよ。私達は高価な部品を買うお金がありません。」

ネム「それにしちゃ凄い部品持ってきますがね。

   注文の品取り寄せるお金よりも収入の方が多いのよ。」

レプラス「部品?例の言ってたカスタマイズか?」

ステルミア「少し違います。オリジナルのパーツを作っているのです。」

紫苑「オリジナル!?」

ネム「けっこうあるよ?メダロット社もオリジナルパーツ技術検定、

   メダロット整備検定など多くの目標を用意してくれてますからね〜。」

ステルミア「それにいざロボトルとなると私に相性の良い攻撃パーツはありませんからね。

      それならいっそのこと作ってしまおうと。」

レプラス「スザクをあんなに圧勝で倒したんだよ!?

     ステルミアは充分強いよ!」

ステルミア「でもロボロボ団には勝てなかった・・・。

      私はさらに上を想定して言っているのです・・。」

レプラス「ご・・ごめん。」

ステルミアは顔を伏せ心の中でつぶやく。

ステルミア「(特に真の君にはとても今のままでは・・。)」

レプラス「?」


第26話 〜舞姫〜



ネム「(共鳴・・ね。懐かしい言葉だけど。)」

奥からセイリュウの声が聞こえてきた。

セイリュウ「ステルミアー?こんな感じでどう〜?」

ステルミア「・・・見てみますか?」

レプラス、紫苑、ネムは一緒に奥へ入っていった。

奥は入り口付近よりも明るくハーブの香りもする。

中央にある机にはたった今できたばかりの左腕パーツが置かれていた。

ステルミアはそのパーツを手にし細かい所まで見渡す。

セイリュウ「どう?」

ステルミアはパーツを机に置くと小さくうなずいた。

ステルミア「バッチシです。やはりマスターは凄腕です。」

ネムはその左腕パーツを遠くで見つめるなり苦笑していた。

その笑いが何を意味するのかまではわからないが。

カロン「パーツもできたことですし、このパーツ名は何にしましょう?」

ステルミア「名前は既に決まっています・・『ティアプレート』・・。」

カロン「ティアプレート・・いい名前ですね。(ん・・ティアプレート?)」

その時だった。

空からミサイルが降りジャンク屋の屋根に命中した。

セイリュウ「な、なに?」

ネム「あーまたきたのかよアイツラ。」

紫苑「あいつら?」

ネム「ロ・ボ・ロ・ボ・だ・ん♪」



外にはロボロボ団が3名いた。腰に両手をつけて相変わらず金魚蜂をかぶっている。

ロボロボ「クリーチャー!決心はついたロボか!?」

ネムは眠たそうな目つきで髪をかきながら答える。

ネム「決心?なんのことさ?」

ロボロボ「バカにするなロボ!!我らの物資調達の件だロボ!!

     通常の1,5倍の値で買ってやるから部品の調達を引き受けろロボ!!」

ネム「やだね、お前らよりいい客がいるから必要ねーよ。」

ロボロボ「交渉決裂ロボね?おとなしくハイと言えばよかったのにロボ・・。」

ネム「あん?」

ロボロボ「こうなったら店にあるパーツを全部いただくロボ!!

     メダロット、転送ロボ!!」

天から青い稲妻が落ち一気に3体のメダロットが現れる。

製品名ワンホイール。その名の通り一輪車でバランスは最低。

だがスピードが速く攻撃範囲が広い。

ネム「仕方ねぇ〜な。紫苑ちゃん、セイリュウちゃん、手貸してくれや。」

レプラス「もちろんさ!!」

ステルミア「言われるまでも無いですよ。」

カロン「ではいきましょうか?」

レプラス、ステルミア、カロン対ワンホイール隊、

ロボロボ「ロボトルファイトロボ!!!!!」


第27話 〜小波〜



ワンホイールはTの字を描くようにそれぞれ別の方向に走る。

レプラス達は横一直線に並び後ろにはジャンク屋、クリーチャーがある。

1体のワンホイールがステルミアにブレイク攻撃をしてきた!

威力は大したことないが周りに強力な重力波をまとっているため避けるのは難しい。

パーツによっては地面をえぐる。

ステルミア「(後ろにはジャンク屋がある・・。ならば!)」

ステルミアはブレイク攻撃に対し静かに構えると左腕で思い切り受け止めた。

手の甲で殴り飛ばすようにしてブレイク攻撃を弾き返す。

ロボロボ「跳ね返したロボ!!?」

攻撃したワンホイールは跳ね返された自分の攻撃を受けふっとぶ。

一輪の脚部ではとても耐え切れない。

ネム「よーしカロン、ワンホイールの脚部の整備お願いねー。」

カロン「はーい。」

ロボロボ「整備ロボ!?何をバカなロボ!」

カロンは左腕のかごからプラスドライバーを取り出し右手に持った。

2体目のワンホイールはカロン目がけて突進してきた。

カロンはプラスドライバーをくるりと回し真横に跳躍、突進をかわす。

着地後瞬時に突進してきたワンホイールの背後に跳びドライバーを脚部に押し付けた。

カロン「ここのネジ、ゆるんでますよ?」

ネジにドライバーを差込み、ドライバーを回す。すると脚部からタイヤだけが外れる。

移動不能になったワンホイール目がけてレプラスの連携攻撃が舞う。

レプラス「たりゃー!!」

ワンホイールが1体天に召される。そしてその横でステルミアのかかと落としを喰らうワンホイールがいる。

ワンホイールA「オグッ・・このままですむとおもうナー。」

両手から放たれたブレイク攻撃をステルミアは無言で受け止めまた弾き返す。

ステルミアの両腕は微かにひび割れが生じている。

レプラス「大丈夫!?ステルミア!?」

ステルミア「このくらい、なんでもないですよ。」

するとステルミアの体が発光し、傷が修復していく。

カロン「装甲修復機能、やりますね。」

パーツの装甲内にはナノマシンという傷を治す極小の機械が存在する。

ステルミアのパーツにはそのナノマシンを活性化させる信号がだせる。

この程度の損傷なら一瞬で直せるが致命傷は治せないという欠点がある。

ステルミア「ね。」

その時ステルミアの背後から黒い影が飛び出してきた。

カロン「後ろ!危ないです!」

だがステルミアは気付いていたらしく背後にいたワンホイールの顔を裏拳で薙ぎ払う。

そして軽く足払いをして体勢を崩しパンチで目を潰す。

カロン「あらら。」

残っていた1体のワンホイールは仲間を助けようとステルミアに射撃攻撃をしかける。

だがステルミアは目を潰したワンホイールを盾にし攻撃を受け止めた。

攻撃をしかけたワンホイールの背後に回ったレプラスは

レプラス「これで終わりだー!!」

連携攻撃でワンホイールを料理した。

ワンホイール3体は数分で倒された。レプラス達はほぼ無傷である。



その様子を天空から見つめる紫色のメダロット・・・。

???「あの動き・・・ディスティちゃん・・・なわけないか。あれ?」

はるか彼方から高速で近づいてくるものがある。

???「あちゃ、来客登場かい。」



ネム「これでわかった?お前らなんか必要ないの。

   さっさと退却しなよ。」

ロボロボ団「な、なに言ってるロボ!!今のはほんの小手調べ・・

      メダロット、転・・ロボッ!!?」

突如銀色のメダロットがロボロボ団の頭に着地した。

相当の勢いだったらしく、金魚蜂がへこんでいる。

ハデスと激戦を繰り広げたシルバである。

シルバ「全く役立たずだねぇ。こんな拠点一つ潰せないのかい?」

ロボロボ団「きょきょきょ拠点ロボか!?

      ・・・・・頭がなんか痛いロボ。」

シルバ「反乱分子の拠点だよ。素直に降伏するかと思ってたけど

    そう簡単にいかないみたいだね。・・・愚かかな。」

ステルミア「(最近姿をよく現しますね・・急いでるのでしょうか・・。)」

セイリュウ「ステルミア、バルカン転送するよ。」

ステルミア「了解。」

ステルミアの右腕がバルカンに変わる。

色を塗り替えたらしく装甲が鮮やかな水色になっている。

シルバ「おや商品メダロットが私にはむかうってかい?

    笑わせるね。」

シルバは左腕のソードを静かに構える。

お互い睨み合ったまま動かない。

先に動いたのはシルバ、だが右腕をなぜか天に向かって構えた!

シルバ「監視されるのは好きではないね!!」

右腕からミサイルを5、6発射出する。

しかしそれらは全て上から落ちてきた電磁波にかき消されてしまった。

その直後地面に衝撃が走る!

シルバの正面、左右、真後ろの地面が穴だらけになっていた。

シルバと対峙するように、レプラス達に背を向けるようにメダロットが降り立つ。

全体が紫一色で水色の瞳が輝く。

両足と両肩にバーニアがついており高速移動が可能のようだ。

シルバ「パープ・・・ラグオン・・。」

レプラス「(パープラグオン?)」

ロボロボ団「こいつだロボ!紫龍だロボ!!シルバ様、こいつを生け捕ろうロボ!」

シルバ「待ちなよ。」

辺りに重たい空気が漂う。その様子をステルミアは静かに見守る。

シルバ「聞いてのとおりだ。こっちに来る気はないかい?

    バニジン、レインボー、みんないるよ。」

パープ「バニジン、レインボー・・?そうかあいつらかよ。

    ・・・・・・・やだね。やなこった。

    里を荒らした奴らばかりじゃないか。」

シルバ「へぇ〜、ディスティもいるのに・・・残念だ。」

パープ「なにっ!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、

    裏切り者のことなんか信用できない。」

シルバ「(チッ)裏切り・・・はは、あんたまだそのことを怒っているのかい?」

パープ「『そのこと』で済むかよ!お前らのせいで、オレの憧れていたリウスは死んだんだ!!

    ここで白黒つけてやる!!」

シルバ「待ちな。ここでやるのは勝手だけど民間人を巻き込むつもりかい?」

シルバは紫苑達を指差した。パープはすぐ後ろを振り返る。

パープ「ぐ・・・・。」

パープラグオンは不意打ちを予想していたがシルバはそのまま後ろを向き、

シルバ「ここは捨てる。引き返すよ。」

ロボロボ団「えっ・・・・・ちょ、ちょっと待ってくれロボ!!」

シルバは無視し突き進んだ。

ロボロボ団「え・・・お、覚えていろロボ!!」

シルバとロボロボ団は裏通りへと消えていった。


第28話 〜旋風〜



ネム「お〜こりゃまたいいものが手に入ったわ。」

ワンホイールの残骸を手に笑っている。

レプラス「・・・君・・・。」

パープ「ごめん、ハデスというメダロットを見かけたら

    オレが探してるということを伝えてくれ。」

パープラグオンは静かに空へ飛翔した。

レプラス「シルバレイドが・・・裏切り者・・?」

辺りはすでに夕方。紫苑達はすぐに帰宅した<。



夜、ティンタウンにはびこる影二つ。

ゴウカンとハデスである。

ビルからビルへ、また次のビルへ。

二人は風のように移動していた。

会話はしていない。

静かになった街を見渡せる高いビルの上に立つと無言で辺りを見渡した。

風の音を聞いている。

ふいにゴウカンはあるビルとビルの間の細い路地を指差した。

ゴウカン「あそこだ!」

闇が溶け込む細い路地。ハデスの白銀の機体でも見るのは困難な暗さである。

その路地を抜けた先には小さな公園があった。

ゴウカンとハデスは公園に入りまた風の音を聞いた。

ハデス「ここか・・・最初のメダロッター誘拐現場は・・。」

地面にある赤い跡を見つめながらハデスは言った。

ゴウカン「今更痕跡は残ってはいないだろう・・。

     案外見落としがあるかもしれないが。」

突如後ろから綺麗な少女の声がした。二人は振り向く。

???「お待ちしていました。」

ハデス「?」

全身を布で覆っているらしく体はおろか顔も見えない。

そしてこの闇である。光って見えるのは眼だけだ。

どうやらメダロットのようである。

ゴウカン「待っていた?君が?」

???「はい・・。ハデス様ならいずれここにくるだろうと・・ずっと・・。」

ハデス「・・・・・・用件は?」

???「これからのロボロボ団の計画についてです。」

ハデス「!?」

???「明日、オシロイカンパニーやロボトルリサーチ社の作り出したシャトルに

    宇宙コロニー建造用の物資が運び込まれます。

    そして優秀なメダロッター数人がそのシャトルの護衛として別のシャトルに乗り込みます。」

ゴウカン「つまりそのシャトルを襲うつもりなのか?」

???「いえ、目的はシャトルではなく宇宙に行くことでしょう。

    最終兵器の製作にあたって、地球上にない物質を使うことはまれにありますから。」

ハデス「最終兵器!?」

???「『龍神の里防衛戦』ではまだ完成していなかった兵器を即刻完成させ、

    反乱分子を焼き払うつもりです。私の力量ではこの兵器を破壊するのは無理でした。」

ゴウカン「『龍神の里防衛戦』・・・。」

ハデス「その言葉・・レプラスの前では言わないように・・マスター。

    では我々も宇宙に向かおう。」

ゴウカン「組織に連絡しておくか・・・ところで君の名前は?」

ハデス「マスター、  この方の名前、聞かなくとも私は知っていますよ。後で話しましょう。」

???「・・・・。」

ゴウカン「よし・・急ぐぞハデス。」

ゴウカンは足早にその公園を去った。

公園に残ったのはハデスと謎のメダロット。

ハデス「ミリオン・・すまない、と言っても許してくれないのだろう?」

ハデスもそれだけ言い残すとゴウカンの後を追った。

ミリオン「・・・・・・いいえ・・この乱世が終わるまで静かに待ちます・・ハデス様。」


第29話 〜傷〜



視界一面にガラクタが転がっている。

ガラクタにオレンジ色の光が当たっている。時は夕方のようだ。

どこか名もないゴミ捨て場のようだ。

そこにセイリュウとステルミアがいる。

ステルミア「ここも・・・・だいぶ変わりましたね。」

セイリュウ「うん・・。」

ステルミアは転がっているガラクタを手にし眺めている。

ステルミア「防衛、とはいっても防衛した者は数知れず・・。

      シルバの判断は正しかったのでしょうか。」

セイリュウ「・・・・。」

ステルミアは夕焼けに染まった空を見つめながらつぶやいた。

ステルミア「カディア・・・。」

セイリュウ「・・・・・。」

ステルミアはセイリュウの方に目を向き、

ステルミア「さて、そろそろ私達も行動に出ますか?」

セイリュウ「・・・・・・うん。」

ステルミアはもう一度空を見た。地平線に日が沈んでいる。

ステルミア「この景色、再び見ることはできるでしょうか・・。」

セイリュウ「それはわからない・・・けど見れるように努力することは大切だね。」



ここはスペースシャトル発射場。

人のあこがれの地、宇宙へ飛び立つ巨大交通機関である。

シャトルには宇宙ステーションを作るための物資が積まれている。

そして別のシャトルには優秀なメダロッターが数名乗り込んでいる。

シャトルの護衛、もあるが不足気味な宇宙でのロボトルデータを集めることもある。

シャトルにはスザク、ゲンブ、ビャッコ、紫苑、オシロイといつものメンバーが乗っている。

もちろんメダロットも一緒だ。衛星を通じてパーツ交換も行える。

というもののこのメンバー以上の強者がクルス町近辺で見つけられなかったこともある。

スザク「全く今度もあいつは来なかったのかよ。」

ゲンブ「昨日は外に出てたようですが今回は宇宙ですからね・・

    体調が悪い時に行くとさすがにやばいでしょう。」

オシロイ「そろそろ静かにしたほうがいいよ。舌噛みたくないならね。」

管制塔「ではぼっちゃん、カウントダウン開始致します。」

オシロイ「OKッ!!レッツゴー!」

管制塔「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・0!」

紫苑「うわっ!」

ビャッコ「くぅううううう!?」

オシロイ「(最ッ高!!!)」



紫苑「ふぅ・・・・みんな、外を見て・・・。」

窓から外を見ると自分の足元に地球が寝ている。

スザク「感動、感動!ここに住んでるのかおれたちは。」

オシロイ「そろそろ小惑星群に入りますね。」

ゲンブ「小惑星群?ステーションじゃないのか?」

オシロイ「その小惑星群の中にステーションがあります。」

紫苑「ふーん・・・。」


第30話 〜暗黒龍〜



ある下水道の一角、シルバレイドとレインボーダスト、

そして少し離れたところにバニジンガルムがいる。

シルバ「この馬鹿がぁ!!」

ダスト「ぉぅ!?」

レインボーダストの顔面をシルバのソードが襲う。

レインボーダストは間一髪でそれを避けたが胸を蹴られ壁に叩きつけられた。

壁がボロボロに崩れる。

ダスト「・・・つぅ・・。」

シルバ「たかがメダフォースを使えたぐらいでリウスだって断言するんじゃないよ!

    リウスが生きてるわけないじゃないか!?」

ダスト「で・・でもあの力は本当にリウスだったんだYO!

    ただのメダフォースの威力じゃないNE!」

シルバ「聞く耳もたないね!」

シルバは肩からミサイルを10何発撃ち爆風でレインボーダストを包み込む。

バニジン「おい・・・いくらなんでもやりすぎじゃない?」

シルバ「ナノマシンで自動に修復されるさ。それよりバニジン、

    あんたリウスの最期、きっちり見たんだよね?」

バニジン「当然、ゴッドエンペラー200体の一点集中一斉射撃、

     無効能力を持ってないリウスには防ぎようがないよ。

     パーツは跡形も無く吹っ飛んだしメダルも砂になった。」

シルバ「砂になったメダルはリウスだったんだろうね?」

バニジン「砂になったのをどう確認すれっていうのさ?」

シルバ「ぐっ・・・ということだよダスト!

    リウスは私達が殺したんだよ。それを忘れてもらっちゃ困るね。」

ダスト「・・・・・わかったYO。少し寝RU・・・。」

崩れ落ちた壁に寄りかかりながらレインボーダストは眠りに落ちた。

そのレインボーダストを横目で見ながら

バニジン「リウスが生きてるとは思わないけど、

     ほかの奴らの可能性は充分あるね。」

シルバ「ほか?」

バニジン「石龍、褐色龍、緑龍、紫龍、黄金龍、機械龍、妖精龍、青龍、龍将。

     うひゃ・・・けっこうここにいないのたくさんいるね・・。」

シルバ「フォストは戦いが好きじゃないからないだろうさ。

    龍将のハデスも紫龍のパープも一回戦ったから除外。

    あとの奴らはわからないね・・場所でもわかればいいんだけど・・。」

バニジン「ここにいるのは大戦中に裏切った奴がほとんどだからね〜。

     いないのは最後まで戦ってた奴らだね。」

シルバ「フォストは違うけど・・・ま、考えてもしゃーないね。」

その時奥から黒に近い青色のメダロットが歩いてきた。

バニジン「ダークン・・あぁ、今回の作戦の総大将は君だったね〜。」

ダークン「総大将と呼ぶのは慎め。殺されたいか。」

バニジン「・・・・はいはい。」

シルバ「行くなら急いだほうがいいんじゃない?

    予定時間、ギリギリよ?」

ダークン「承知。我の『特別』な推力、馬鹿にされては困る。」

シルバ「ぬかるんじゃないよ。

    なんとしても宇宙ステーションから物資を盗んでくるんだよ。」

ダークン「ン?今回破壊目標は無いのか・・我の『極上』の刃、

     血に飢えておるというのに・・。

     仕方無い、今回は特別に我慢させておこう!」

バニジン「・・・。」

ダークン「ではこの優秀完全特別無敵メダロット、レッドダークン、

     鮮やかに帰還することを指を加えて待っておれ下民ども!

     ぬはははははははははははははは!!」

そう言いながら天井を突き破りレッドダークンは空へ消えた。

シルバ「あいつの性格どうにかならんかねぇ・・。」

バニジン「・・・・無理だろ。」


第31話 〜失念〜



オシロイ「よしと無事到着!」

港のような場所に力強く着地すると明るい声でオシロイが言った。

スザク「ひゃ〜・・・・・。」

オシロイ、イクシオン以外全員口を半開きにして上を見上げている。

広いこともあるのだが倉庫のような建造物が自分とは逆さまに建っている。

無重力空間でしかできない芸当である。

一応ステーションの中なのでパイロットスーツは必要無い。

ヘルメス「おっとっと・・少々歩きにくいですね・・。」

ここではニ脚は水中とほぼ同等の技術を必要とする。決して有利とは言えない。

最も宇宙空間は全てのメダロットが不得意としている地形なので戦闘時に影響するのは脚部でなく、

『経験』が大事なのだが。

その点レプラスのような浮遊系は地形を気にしなくて良い。

スザク「こりゃいきなりロボトルは辛いかもな。」

アレス「・・・・だな。」

オシロイ「おし、着艦手続き完了♪さ〜入ってくれ!」



スザク「アイツをここでぶちのめそうかと思ったが・・宇宙は想像以上に厳しいな〜。」

ステーション内のレストランでカレーライスをほおばりながらビャッコに言う。

ビャッコ「まず自分のメダロットを慣らすことから必要でやすね・・

     食事が終わった後に宇宙遊泳でもして訓練しやすか?」

ステーション近辺での宇宙遊泳もできるようだ。ポセイドンパークのようなカプセルでもできるし、

そのまま宇宙服で飛び出す、ということも可能、ロボトルも可能である。

スザク「よし、そういこうか〜。」



紫苑やゲンブは自分の与えられた部屋でくつろいでいる。

ゲンブは椅子に座っているのだがヘルメスは天井に座っている。

ヘルメスは天井であぐらをかき、自分の腕を整備している。

空中に工具が散乱しており、地上ではありえない世界が広がっている。

ゲンブ「もう慣れたようですね・・ヘルメス。」

ヘルメス「こういう空間、初めてではないですから・・痛。ドライバー・・関節に差し込むと痛いですね・・。」

ゲンブ「・・・・。」



紫苑「こう・・・浮かんでばかり、というのも面白いね。」

レプラス「だ〜よ〜ね〜。」

レプラスは体を回転させてみた。

紫苑「何も・・起こらなければいいんだけど・・。」

レプラス「へっ?」

紫苑「行く先々でからまれて・・何か死神が後を追っかけてくるような・・

   そんな感じがするの。」

レプラス「・・・まさか・・・気にしすぎだよ紫苑。」

紫苑「だといいけど・・。」



その夜・・に値する時間、倉庫の一つを見つめる影がひとつ、

ダークン「この倉庫を一つほど拝借すれば文句はあるまい。いや二つがいいか?

     『名機』と呼ばれるにふさわしい我が名を轟かせるには二つでは足らぬか?」

しばらくその場でレッドダークンは考えていたが・・

ダークン「・・・・・・・・いくつでもいいだろう・・。多ければ多いほど褒美がくるのだからな。

     完全無欠な我が機体には簡単なことだろう・・いくつでも。」

腰にかけてある刀を鞘から抜く。闇の空間に、赤い煌きが光る。

ダークン「凡愚には必要の無い物資、ありがたくこの名機レッドダークン『様』がもらいうける!

     物資よ、ありがたく思え!!」

レッドダークンは倉庫のドアだけを斬るつもりだったようだが、

ドアや壁はおろか、中の物資までも真っ二つになった。

目の前に残ったのは小さな残骸だけで、とても使えるようなものは無い。

ダークン「・・・あ・・・、ふ・・少しやりすぎたようだ。

     倉庫などまだいくらでもあるだろう・・凡愚には多すぎる量だが。」

だが当然のようにサイレンが鳴り響いたのを聞きレッドダークンは笑顔で顔を曇らせた。


第32話 〜破滅〜



製品名パトリオーダー、胸にNASAの文字が書き込まれたシャトル型のメダロット。

全身対空パーツで覆われており空中戦が得意。

そのパトリオーダーのミサイルを鮮やかにかわし、一瞬で頭部を切り刻む。

ダークン「ぬるい!!ぬるすぎるぞ小童!!」

製品名タンクソルジャー、男子に人気のパトカー型のメダロット。

ステルミアがよく交換する右腕パーツ、バルカンはこのメダロットのパーツである。

タンクソルジャー5体の一斉掃射も左腕の刀で防ぎ地面を斬る。

地面を斬った時の風圧でタンクソルジャー5体を即座に葬った。

スザク「なんの騒ぎだよこれは!?」

宇宙服を着たスザク、ビャッコが港に飛び込んでくる。

レッドダークンを中心に円を描くようにメダロットの残骸が広がっている。

スザク「なんだよありゃ!?」

スザクの存在に気付いたレッドダークンは背中のマントを翻しその方向を向く。

ダークン「ほう、新手か。この優秀な我が機体に歯向かうとは片腹痛い。」

四の五の言う前にアレスがレッドダークンの前に跳ぶ。

アレス「自分で優秀と言う奴は大抵性能が低いッ!!」

右腕のフレクサーソードを振り下ろす。だが無重力空間なので動作は遅い。

レッドダークンはマントでアレスの攻撃を防御する。

アレス「たかがマントでオレの攻撃を防御できるとでも・・。」

だがたかがマントと思ったのは間違いだった。壊れたのはアレスの右腕の方である。

アレス「なッ・・・!?」

ダークン「勝ちを急いだか?たかが一般販売の旧式が『特別な』我に勝とうなど千年早い!」

青い宝石のついた右膝でアレスを蹴り上げる。そのスピードはアレスとは段違いだった。

アレスは体勢を立て直そうと体をひねったがうまくいかなかった。そこにレッドダークンの切っ先が迫る。

ダークン「む?」

レッドダークンは方向を変え目の前まで飛んできたミサイルを叩き切る。

ダークン「無駄なことを・・んぅ?ふははははもしや貴様らまだ宇宙に慣れておらんな?」

アレス「くっ!」

ダークン「図星か。自分が不利と知って突っ込むか?特別でない者の思考は理解できん。」

ディモ「それでも我輩達は戦わねばならぬ時がある!お前とは違うのだ!!」

ディモは再びミサイルを撃つ。レッドダークンはマントの中から何かをばらまき防御する。

ダークン「違う?凡才と特別な者が一緒とでも思っていたか凡愚め。

     そのような戯言、言う前に既にわかっている『常識』ではないか。」

煙が晴れると何をばらまいたのかはっきりした。

赤い小さくて丸いボールのようなものが無数に宙に浮かんでいる。

ダークン「それとも『特別』で『優秀』な者にわからぬとでも思っていたのか・・

     所詮は『無駄』に世界を汚す下民だな。」

宙に浮かんでいる無数のボールからアレス達に砲台が伸びる!

ダークン「最も気付いたのが遅すぎたがな・・さらばだ下民ども!!センカラッツ!」

無数のボールが一気に炎の弾を発射する。火山から噴火した時に出る火山弾と言ってもよい。

アレス「連携攻撃だとー!?」

アレスの言葉はディモと共に爆風にかき消された。



その時爆風の中から一つだけ火山弾が跳ね返ってきた。

ダークン「ぬぅ!?」

レッドダークンは火山弾を叩き落す。地面が物凄い音を立てて焦げる。

爆風が消えるといつのまにかアレス達の前に一人のメダロットが立っていた。

紫苑、レプラス達も到着する。

レプラス「なんだよ一体この騒ぎはさ!?」

ぼろぼろになったアレスはレプラスの質問に答えた。

アレス「あの黒いメダロットが港を襲撃してきたらしい・・。

    オレ達はもう少しでやられるところをこのメダロットが助けてくれた・・。」

獅子を思わせる頭部にごつごつとした岩石のような腕、石や岩のように汚れた装甲が特徴的だ。

左手に自分よりも大きく長いキセルを持っている。

ゲンブ「・・・・なにか見たことあるメダロットですね。」

ハデス「レプラス、ヘルメス、イクシオン、及びそのマスターは見覚えがあるのは当然だろう。」

ダークン「ッ!?」

レッドダークンの背後にハデスが構えている。そしてその横にはゴウカンが腕を組んでいる。

ハデス「ストロはお前達と出会った山のあの時に回収したのだから。」

あの謎の出来事のことである。

記憶が曖昧なせいか、はっきり認識できないが。

ストロ「ハデスには感謝してるさね。こうして裏切り者とまた一戦交えられるのだから。」

ストロは大きなキセルは振りかざす。

ダークン「うぬぬぬ貴様ら凡愚が我の聖域を荒らすのか・・鮮やかに作戦を成功させるのを拒むか。」

ゴウカン「最終兵器、またこの世に現れるのは嬉しくないからね。」

ダークン「!?なぜ凡愚がそれを知っている!!」

ストロ「凡愚凡愚うるさかね!!」

ストロが右腕から重力攻撃をしかける。規模はワンホイールと同じぐらいだ。

ダークン「馬鹿めが!貴様の攻撃で我が倒されると思ったか!?」

ハデス「馬鹿はお前だ。」

ハデスは右腕からレーザーを撃つ。レーザーはストロの重力攻撃をまとい、

規模を膨らませながらレッドダークンの方へ飛んでゆく!

ダークン「合体攻撃!?だが『特別』な我をなめるな!!」

レッドダークンは再度回避、レーザーはレプラスに向かってゆく!

紫苑「そういうことかな?わかったハデス。レプラス、連携攻撃!」

レプラス「あいよ!」

レプラスは連携攻撃を放った。

幾万もの火の玉はストロとハデスの攻撃をまとわせ・・

ハデスのレーザーが炎をまとい拡散する!これはどんなメダロットでも回避不可能だろう。

ダークン「なに・・・・!!?」



レッドダークンは3体の合体攻撃を受けてもまだ平気で立っていた。

幾らかダメージは与えたようだが余裕が感じられる。

ダークン「く・・・くっくっく・・・はーはははははは!!!!」

ハデス「!?」

ダークン「じつに良い!特別な能力を持つ者達の無駄なあがき、反抗!!!!

     そのくだらぬ思念が我の喉を潤す!!!!!」

レッドダークンは左腕の刀を抜き放ち、地面に刺した。

ダークン「だが今回はそのような無駄なことに時間を割いてはおらぬのだ。

     優秀な機体の運命(さだめ)!!楽しい時間だったが・・・凡愚ともお別れか。」

ストロ「まさか・・やめるさね!!」

ダークン「遅い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

突き刺した刀が発光し地面を粉々にする。その振動はついに外まで届き、倉庫はおろかシャトルも、

ステーション全体も粉々に砕け散った。

レプラス「う・・うわー!!」

紫苑「きゃぁ!!!」

オシロイ「まさか!?こ、こんな・・ステーションがぁああ!!!!」



静かになった宇宙に散らばっていたのはステーションやシャトルの残骸と、

それを遠くで見つめる地球だけだった。
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